背中の痛みというと、慢性的に背中が痛い、凝る、重だるいといった症状を思い浮かべる方が多いと思います。
もちろん、そうした慢性的な背中のつらさもありますが、もうひとつ意外と多いのが、突然背中に激痛が走るタイプの痛みです。
私はこれを、ぎっくり腰ならぬ「ぎっくり背中」と呼んでいます。
「ぎっくり首」という症状もあります。
正式な病名というより、状態を分かりやすく表した言い方ですが、実際に起こると本当にぎっくり腰と同じくらい強烈に痛みます。
ひどい場合は、身動きがとれないように感じることもあります。
きっかけは、日常のふとした動作で起こることが多いです。
振り向いた瞬間、物を取ろうと手を伸ばしたとき、朝起き上がろうとしたときなど、特別に大きな動きをしたわけではないのに、背中の筋肉が強くつってしまうような状態になることがあります。
痛みが出やすい場所としては、肩甲骨の内側やその周辺が多いように感じます。
背中には多裂筋や腸肋筋など、背骨や肋骨の動きに関わる筋肉があります。
これらの筋肉が強く固まると、深呼吸をしたり、身体をひねったり、腕を動かしたりするだけでも痛みが出ることがあります。
ただし、痛みは強くても、背中の場合は腰に比べると、原因となっている筋肉の数や付着の仕方が比較的整理しやすいことがあります。
そのため、状態によっては、ぎっくり腰よりも変化が出やすいと感じるケースもあります。
もちろん、すべての背中の痛みがすぐに楽になるわけではありませんが、固くなっている筋肉を見極めてゆるめていくことが大切です。
施術では、まず痛みの原因になっていると考えられる背中の筋肉、主に多裂筋や腸肋筋などの緊張を確認していきます。
そのうえで、背中だけを見るのではなく、身体の土台である仙骨の動きも確認します。
背中の筋肉をゆるめ、最後に仙骨のロックを外して本来の動きを取り戻していくことで、身体全体の動きが変わり、背中のつらさが軽くなることがあります。
急に背中が痛くなった、肩甲骨の内側が強く痛む、身体をひねると背中に響く、深呼吸で痛みが出るといった方は、ぎっくり背中のような状態になっている可能性があります。
痛みが強いときほど不安になると思いますが、まずは無理に動かさず、状態を見ながら丁寧に整えていくことが大切です。
なお、胸の痛み、息苦しさ、発熱、手足のしびれ、転倒後の強い痛みなどを伴う場合は、筋肉や関節だけの問題ではない可能性もあります。
そのような場合は、整体院ではなく、まず医療機関で確認してください。