最近では仙腸関節は動くようだと言われ始めていますが、少し前までは動かないとされていました。
動かない関節なので機能障害は起こらない、よって腰痛の原因とはなりえないと。しかしこれは間違っています。
自由には動かせませんが、受動的に少しだけ動く(動かされる)のです。
そして、それが様々な理由で仙骨と腸骨がずれて固定してしまうと仙腸関節に引っかかりやロックが生じ、それが痛みや痺れの原因となるのです。
また脊椎の土台の仙骨がずれますから、これが原因でさらに他の場所にも歪みが生じ様々な症状を引き起こすこともあります。
ですから、この引っ掛かりを外し、仙腸関節の動きを良くしてあげると体全体のバランスが良くなり、それこそ何年も苦しんできた諸症状が嘘のように消えることもあるのです。
当院に来る方でも、開口一番に何年も腰痛に苦しんでいる、いろいろな治療法を試したし、治療院も回った、でもずっと変わらないんです、と言われる方は結構いらっしゃいます。
しかし、仙骨の引っかかりが外れ、仙腸関節の働きが良くなった途端にずっと苦しんでいた腰痛がその場で消えることがあります。本当に当人も私もびっくりです。(全員ではありません)
反り腰系の腰痛の人にはよく効くことが多いようです、これは仙骨は腸骨に対して前方へ倒れこむような変位が多いためだと思われます。
(機能障害とは仙骨と腸骨との引っかかりなどがあり、うまく動かないことで形態上は損傷等がないことです)
仙腸関節の器質性障害
痛みは仙腸関節部分にもあり、痛みの感じ方も強いし、下肢にまで痺れも出る。
仙腸関節調整を含め、様々な治療をしても痛みは消えない。これはどういうことでしょうか?
仙腸関節の構造と働きのページでも、たくさんの筋肉が付着していると書きましたが、最初にショックアブソーバーの働きをするのは仙腸関節ではなく、まず仙腸関節周辺の筋肉群です。
筋肉がまず外力を受け止めます。しかし、耐えきれないほどの外力(スポーツや事故)や持続的な負荷(同じ姿勢や日常のクセなど)が続いた場合に筋肉や腱(筋肉と骨のつなぎ目の白っぽい部分)に痛みが出始めます。
そして、萎縮した筋肉や腱に仙骨や腸骨が引っ張られて、仙腸関節に歪みが出始めるのです。
ですから、この場合の痛みの原因は仙腸関節の器質的な障害になるので、機能性障害とは事情が違ってくるのです!これが仙腸関節調整のみだと効果が薄い場合があるという最大の理由です。
- 機能性障害:仙腸関節が本来持っている働き、能力がうまくいかないこと
- 器質性障害:仙腸関節に形態上(靭帯や筋肉等)の損傷があるということ
簡単に言うと仙腸関節に影響が出る前に、筋肉や腱に負荷が掛かっています。それらは仙腸関節上に複数付着しています。
そして、これらの損傷が主な痛みの原因になっているということです。腱は元々、弾性や伸張性がほぼないので、炎症や萎縮、断裂を起こしやすく痛みの原因となりやすいのです。
普通はそれが腰痛やぎっくり腰の原因であると言われています。(これが器質性の障害です)
ですから、仙腸靭帯をそれほど痛めておらず、それよりも筋肉や腱を痛めていた場合、それはいくら仙腸関節を調整しても症状はあまり変わりません、痛みの原因は筋肉や腱にあるということです。
仙腸関節の機能性障害、器質性障害ともにケアすることが大切です。
どちらを痛めているかわからない?