2023年8月14日

週刊現代2023・8・12・19より転載です

ネットからの転載です

整形外科医でも本当に患者思いの医者なら、いまの治療法がおかしいと気づき始めている。とりあえずレントゲンを撮って脊柱管狭窄だ、ヘルニアだと診断して、注射や手術をするようなやり方で痛みを消すことは難しいのだ。

だが一方で、患者の痛みが治らないことを知りながら、バカの一つ覚えで同じような治療を続ける医者もいる。

そういう治療法が整形外科のスタンダードだから、誰にも文句はいわれまい。なにより痛みの消えない患者が定期的にクリニックに来てくれるほうが、経営も安定するじゃないか……。そんな無責任な医者がゴマンといる世界なのだ。

最近、その現実を象徴するような出来事があった。

慢性痛を専門とする医師たちが、慢性痛に苦しむ患者を救うため、「慢性の痛み対策基本法」の制定を働きかけたところ、JCOA(日本臨床整形外科学会)の執行部が、法案に反対を表明したのだ。都内の整形外科医が匿名で語る。

「たしかにこの法案が成立して、慢性痛に関する新しい治療の可能性が出てくると、いままで漫然と注射や手術をしてきた整形外科医の仕事が減る可能性があります。

要するに、『我々の縄張りを荒らす気か』と釘を刺しているのです」

「慢性の痛み対策基本法」の制定を推進している北原雅樹氏(横浜市立大学附属市民総合医療センター・ペインクリニック内科診療部長)は、日本の慢性痛治療は海外と比較して20~30年遅れていると指摘する。

「例えば、急に腰が痛くなったら多くの方は整形外科に行くと思います。そうすると、だいたいレントゲンを撮りますよね。ですが、そんなことをするのは実は日本だけなんです。足が動かなくなった、尿が出にくくなったなどの所見が診られる場合や、事故にあったケースを除けば、急性腰痛でレントゲンを撮る意味がないことは’90年代からの研究で明らかになっています」

首や腰の慢性的な痛みがあるときに、整形外科しか行くところがないという点も日本の医療の問題である。

「慢性痛に対しては、世界標準となる治療法があります。整形外科だけでなく、麻酔科、精神科、心療内科、理学療法士、看護師などの専門職が集まって、さまざまな面から痛みの原因を探して治療につなげる『集学的な痛み治療』です。このような治療を受けられるところが、欧米では大学病院1つにつき必ず1ヵ所はありますが、日本では大学病院レベルでは5ヵ所しかありません。

日本だけ世界の痛み治療から取り残されている状況を打開すべく、対策法の立法を働きかけているのです」(北原氏)

北原氏たちが進める法案に関して、JCOAは以下のように疑問を投げかけている。

「治療抵抗性の難治性疼痛を訴える患者さんが一定数存在することを否定しませんが、『治りにくい痛みを持った患者さんの多くが適切な治療を受けられず、社会的にも孤立し厳しい状況に置かれている実態』がどのくらいあるのでしょうか? 実態が不明確であり、かつ曖昧な定義のままでこの法案を立法化することにより、既存の治療を受けている国民に不安と混乱をもたらす可能性があり、ひいては国民に不利益を生じさせる危惧すらあります」

実際に痛みに苦しむ患者の立場に立てば、このような法案をめぐるやりとりは、医者たちの縄張り争いにしか見えない。

もちろん、医者は患者によくなってほしいと考えている。だが、一方でさまざまな業界の事情から、「これでは治らないかもしれない」と考えながら注射を打ったり、手術をしている医者がいることは事実なのだ。

     ~~~以上が転載でした。~~~

確かに手術が必要なレベルのヘルニアや狭窄症、また靭帯が切れてしまったとか

軟骨が遊離してしまった等は整形外科の範疇だと思いますし、本来はそういうことが専門なのだと思います。

ただそうじゃないレベル(と言っても十分過ぎるほどのぎっくり腰など)は

ぜひ腕の良い整体や鍼灸マッサージ店を探してみてください。